ファミリーセンタードケアとは「家族とともに築く医療」

新生児医療におけるファミリーセンタードケアには様々な定義や解釈があります。

私たちはファミリーセンタードケアを「家族とともに築く新生児医療」と解釈します。家族とともに築く新生児医療においては、医療者と両親が目標を共有し、お互いの強みを持ち寄って、赤ちゃんや家族に最も良い効果をもたらすために協力します。

新生児医療の最終目標は、赤ちゃんや両親を含めた家族全体を幸福にすることです。そのためには、医療者と家族がそれぞれにできることを持ち寄り、適切なパートナーシップのもとで医療を行うことが大切です。例えば、医療者は赤ちゃんに適切な治療薬や呼吸管理についてのエキスパートですが、赤ちゃんの様子をもとに適切なケアやそのタイミングを決め実践するのは両親のほうが長けているかもしれません。

家族とともに築く新生児医療 それぞれの強みを持ち寄って、赤ちゃんや家族の幸福を目指す

コミュニケーションと両親の支援

新生児やその家族と働く医療者の皆さん、家族とのコミュニケーションや家族の支援に困ったことはありませんか?皆さん医療者のコミュニケーションは、実は家族や赤ちゃんに大きな影響を与えているかもしれません。医療者がより良いコミュニケーションで家族を支援することは、家族をやる気にさせ、自信を持たせ、赤ちゃんとより良い関係を築くために非常に重要です。そして、それら家族の変化は、赤ちゃんの予後を良くすることにもつながります。

赤ちゃんの両親や家族の皆さん、もしNICUやその他の新生児病棟で過ごした経験がありましたら、どんな支援が助けになりましたか?あるいはどんな支援があれば、より良く過ごせたでしょう?おそらく皆さんの多くは、その中に医療者とのコミュニケーションが含まれることに気付くのではないでしょうか。

しかし新生児病棟における医療者と家族のコミュニケーションを良くすることは簡単ではありません。一人や二人の医療者が変わっても病棟全体としては効果が少ないですし、そもそも人のコミュニケーション能力には簡単には変わりません。またその前提として、家族の重要性を理解するというマインドの変化も必要です。この難しい課題に取り組み、成功を収めてきたのがClose Collaboration with Parentsトレーニングです。